最小構成です。6BM8を2球に分けたみたいなもの。
これで、我が家のアンプの中で一番力強く鳴ってしまったので、さすがビーム管。
このキットは、TU-873の半分くらいの大きさです。普通のアンプと比べてもコンパクトです。
ビーム管の3極管接続、ドライブは、双三極管の片方を方チャンネルづつ使い、交流点灯なので、部品点数が少なく、KT-88としては、おどろくほど安い値段のキット(三栄無線、トライオードからも同一価格帯(39,800円)でKT-88のキットが去年まで出ていたが、今は無くなってしまっている)です。
なんと、この時点で、KT-88一本のヒータに導通がないことに気がつきました。
ここらへんが「真空管だから、、」面白いわけです。
コスト削減のため、一枚プリントを数枚に割って使用します。安いだけあって、薄いので、カッターで、丁寧に傷を入れて、慎重に分割します。
A基板と呼ばれる、真空管ソケットの取り付けられる基板です。
ゆったりしたパターンで、ジャンパー抵抗によるジャンパー(設計時からのジャンパ=修正ではない)も大目です。値段を下げて、組み立てやすく、かつノイズを抑えた結果だとおもいます。
パターンが大きく、部品も少ないので、トランジスタラジオのキットより簡単です。
リード線を配線するために、数十本のピンを立てるのですが、TU-873で使われていたピンより一回り細く、一箇所につき一本(TU-873は2本)です。
間違えるとすれば、電解コンデンサーとB電源のダイオードしかないところで、パターンも大きく、シルクではっきり部品番号と向きが書かれているので、安心です。
部品点数が少ないので、間違えて取り付ければ、次につける部品が足りなくなるので、すぐわかります。
シャーシの脇に穴があるケースなので、放熱を気にせずつけてかまわないでしょう。
この基板が、最後A基板と繋がるのがこのキットのミソです。TU-873がシールド線無し(交流点灯だからしゃーない?)だったのには及びませんが。
こうしたケース組み立ての省略化が効いているかは、人によるとおもいます。たとえば、「コネクタを良い部品と買えたい」と考える人には、余計に面倒な構造と言えます。
ここらへんが、このキットの組み立ての時間的な中間地点(=2-3時間経過して、コーヒー休憩がしたくなる頃)です。