DXpeditionのすすめ  無線機 (last update 2007/3/10)

 

無線機については、DXpeditionの目的、渡航方法によって選択がかなり変わってきます。基本的にはDXpeditionでは大きなパイルアップを受けることが予想されますから、所謂"性能のいい"無線機、具体的には混信特性、受信部の大入力特性がよいものが求められます。またSplit運用が前提になりますからそのあたりの操作性がよいことも重要な要素です。

一方で、最近航空会社はチェックインバゲッジの重量について厳しくなっており、超過料金を防ぐためにはなるべく小型で軽量であることが求められます。小型の機械だとモービル用が主目的で性能や操作性が十分でないものも多く見られます。このあたりの選択が難しいところです。

以下に私の知りうる限りでの機種別の特徴を列記してみます。参考になれば幸いです。

 

IC7000   (2007/3記述)
(ICOM WEBより引用)

小型(モービル)機として初めて本格的なDSPを搭載した機種。DSPの性能については756Proシリーズ等のDSPを考えると自ずと期待されるところです。私も購入を考えているところです。VU7RG(2007年1月)に予備機として持ち込まれていたので少し試用してみました。706MkIIで感じていたIFフィルタの不安はDSPにより解決していました。706MkIIで不安だったフィルタの切残し、すっぽ抜けのような現象は感じられず、きれいに切られている印象でした。フィルタ幅も自在に変えられるのはメリットでしょう。またPBTも搭載されているので706シリーズに比べても使い勝手がいいことでしょう。 先日のZL8R(2006年)でもメインに使用されていましたからDXpeditionに持っていく機械として基本性能は十分であることが予想されます。
ただ小型機故の操作性の悪さはまだありそうです。706MkIIで感じていたのですがRITのつまみがロータリースイッチ状でクリックがありなんとなく使いにくいのは7000でもそのままです。またRITとPBTの操作が同じつまみで、操作の度に切り替える必要があるのは使いにくそうです。どちらも受信時、パイルアップと格闘しているときに使いたくなる機能ですからここは一考して欲しかったところ。
いずれにしても、まだ実戦で本格的に使ったことがない機械なので一度本気で使ってみたいと思わせる機械です。   

 

IC756ProIII  (2007/3記述)
(ICOM WEBより引用)

VU7RGで使用しました。ICOMの現時点(2007年3月)での(IC7800を除いた)実戦機としての最高機種であり、比較的コンパクトに作られているのでDXpedition向きかもしれません。IC750,750Proあたりもそうでした。(そういえばIC750Proはまだ手元にあります)
本格的にDXpeditionで使用したのはVU7RGが初めてでしたが、これといった不満も感じさせず、"デジタル"の違和感もなく、よくまとまっている機械だと思います。受けているパイルアップをスペクトルスコープでモニタするのは楽しみでもあります。
IC756ProIIIについては別ページで使用感を書いていますのでそちらも参照してください。強信号特性に不満がないことはないのですが、これは中波放送の送信所がすぐそばにある我が家での問題であり普段は気になることはないでしょう。Dual watchも不満ですがDXpeditionでは必要なさそうです。

 

FT1000MP (2007/3記述)

コンテスト業界では未だに1番人気、IFフィルタを全部入れてInradのルーフィングフィルタを入れてと、フルチューンには手間もお金もかかりますが、そこまですればまだまだ第一線の機械です。アナログ機ですがProIIIに比べても遜色なく、いやそれ以上の働きをします。おまけのように付いているDSPもNRなんかはそれなりに使えます。
サブVFOのつまみも大きく、位置も使いやすく気に入っています。サブRXはそれなりですが、使い勝手はいいです。
唯一にして最大の欠点は大きさ、この大きさが操作性をよくしている部分もありますが、飛行機で運ぶには大きすぎます。ケースに入れると20kgを楽に越えてしまうので超過料金が気になります。
コンテストでとりあえず最高性能が欲しい、運搬の諸問題はどうにでもなる(する)といった状況には1台持って行きたい機械です。
技術的な点については別ページにも記述があります。

 

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